街区・建築物被覆のヒートアイランド対策

・建築敷地の被覆対策
建物敷地の緑化、保水(透水)性舗装化、芝生の利用など仕上げにエ夫をした駐車場の奨励、アスファルト舗装の削減などの取組を各建築物の特性に合わせて進めていく。

・道路の被覆対策
道路のアスファルト舗装は、熱環境の点からみると、大きな問題のある被覆素材である。保水性舗装など新たな舗装技術の検討を進めると共に、下水再生水の活用による道路散水、緑化の方法なども併せて効果的な対策が考えられている。
保水性舗装:降った雨を蓄えることができるよう、アスファルトの隙間に保木材を浸み込ませた道路で、晴れた日にその水分が蒸発し気化熱を奪うことによって、道路の表面温度を低下させるものである。2001年夏から東京都新宿区で試験が行われており、その結果、普通の舗装と比べて10゜C程度温度を下げることが明らかになった。

・建物の被覆対策(特に屋上緑化)
都市内では空き地がほとんどなく、公園や緑地を新たに作るのは難しいが、建物で覆われている土地と同じ面積だけの屋根が必ず在る。その屋上に土を入れ、植物を育てれば、屋根の温度が下がって室内が涼しくなる。東京都は2000年12月に自然保護条例を改正、新築される敷地面積1000平方メートル以
上のピル(公共施設は250平方メートル以上)などに対し、屋上面積の2割以上の緑化を義務付けた。屋上庭園を追るビジネスや、ビオトープ(生き物が住めるような環境)にして自然観察ができるもの、中には雑木林を追ってしまうビルも出現した。屋上緑化の課題は、やはりエ事費用とメンテナンス費用の負担である。設置時のエ事費用は、条例で義務付けられたからという動機だけでなく、『空調の燃費の良いビル』とアピールすることで、実質的な回収も見込みが立つ可能性が増す。しかし、メンテナンスの方は、年
間数十万円〜数百万円にもなる場合があり、この負担は重い。また、ビル外壁の光触媒コーティングなどの環境技術開発が期待されている。