原因物質、光化学オキシダントとは

「光化学オキシダント(OX)」とは、光化学スモッグの原因となる大気中の酸化性物質の総称。

工場や自動車などから大気中に排出された一次汚染物質である「窒素酸化物」(NOx)と「炭化水素」(HC)は、太陽光線に含まれる紫外線を受けて「光化学反応」を起こして変質し、オゾン(03)を主成分とし、アルデヒド(R-CHO)やバーオキシ・アセテル・ナイトレート(PAN=R-CO3N02)などを含む酸化性物質が二次的に生成される。この二次汚染物質であるオゾンやアルデヒド類等の酸化性物質のことを総称して「オキシダント」と呼ぶ。

大気汚染防止法では、このオキシダントの内、中性よう化カリウム溶液と反応して、よう素を遊離する物質のことをオキシダント(「全オキシダント」)と呼ぶ。さらに、この全オキシダントの中から、二酸化窒素(N02)を除いたものを「光化学オキシダント」(OX)と呼び、光化学スモッグが発生しているかどうかの指標物質として、環境基本法に基づく環境庁告示により環境基準が設定されている。大気の常時監視においては、単にオキシダントと言えば、環境基準が設定されている光化学オキシダントのことを指す。